2010/08/29

2010鎌倉音楽祭「大銀杏の芽吹きに歌をささげる」

開場前の境内



















本日は8月最後の週末です。

8月28日、夏の終わりを締めくくる鎌倉音楽祭にいってきました!
鶴岡八幡宮の舞殿で開催される音楽祭は年々パワーアップして
今年で5回目となりました。

今年の出演アーティスト(五十音順)は、
植村花菜/川井郁子/川江美奈子/KAN/JUJU/平原綾香/
溝口肇/Le Velvets
でした。

コンサート会場・舞殿前



















舞殿で開催される野外コンサートのため毎年高い確率で雨に見舞われます。
例年、出演者の誰かが雨男か雨女であるという話題で始まりますが、
今年は晴天に恵まれました!

コンサート終了後の舞殿




















神職によるお祓いで始まり、心地よい風が吹くなか、19時くらいから
境内は幻想的な雰囲気になりはじめました。

鎌倉音楽祭では他ではなかなかみることができないアーティスト達の
コラボ演奏が観れました。


















印象に残ったのは、チェリストの溝口肇さんが演奏されたとき、トンビが
舞殿の上を弧を描きながら近づいてきました。演奏をやめるとトンビも
どこかへ去っていき、溝口肇さんがまた演奏を始めるとどこからか現れて
舞いはじめました。トンビも溝口肇さんの弦楽器と波長が合って魅かれた
のかもしれません。

今年の開催コンセプトは3月に大銀杏が倒れたこともあって
「大銀杏の芽吹きに歌をささげる」です。

最後にこの音楽祭のために作られた大銀杏の再生を願うテーマ曲
「千枚の手のひらを」をアーティスト全員で歌い、言霊となって境内に
響きわたりました。


ところで、神社、お寺の境内でメジャータレントの音楽ライブコンサートは
ミスマッチで新鮮であったり、違和感を感じる人もいるでしょう。

鎌倉音楽祭が「奉納ライブコンサート」と言われているように、「奉納」とはモノを
納めるだけでなく、音楽や踊りといった行為を神様に捧げることも含みます。
つまり、音楽の原点は神社仏閣にあるといっても過言ではありません。

神社仏閣は霊験のある信仰施設というイメージがある一方で、江戸時代までは、
芸能などの娯楽だけでなく、銀行がおこなう金融業、宝くじの原点である富くじ業も
運営していました!また、寺社境内には飲食店、日用雑貨を含む無数の店舗が
営業していたそうです。

江戸時代のトレンドリーダーであり、メジャーアーティストといえば、歌舞伎役者です。
歌舞伎の芝居も寺社境内で開催され、流行文化の発信地でした。
当時の若い女性が歌舞伎役者の衣装や髪型を真似て夢中になっていたとか。
昔も今も変わりません。

人が集まる神社仏閣を目指し「江戸回帰」で様々な行事、イベントを
打ち出す神社、お寺が増えつつあります。

きっとお近くの寺社でも何か面白いイベントをやっていると思います。

2010/08/25

お守りで社会貢献活動・千葉県 玉前神社

企業は経済活動以外に社会貢献、CSR活動がクローズアップされていますが、
地域社会に根差した神社仏閣は存在自体が社会貢献といえます。

神社、お寺は、お守りや祈祷で得た収益で社殿等の修繕、維持や,
祭事・神事、環境維持のための植樹や慈善活動などにあてていますが、
こうした活動を積極的に社会にアピールしません。

その理由のひとつは、古来から「言挙げ(ことあげ)せず」という日本文化が
あるからかもしれません。

「言挙げ(ことあげ)せず」という表現は、神職の方と話すとよく耳にします。

言挙げしないとは、むやみに言葉に出していわないことをさします。
古来より「言霊(ことだま)」といわれるように、言葉には呪力があり、
声に出した言葉は影響力があるので、「言挙げ」は慎むように伝えられてきました。


しかし、日本の国際化に伴い社会に向けて言挙げしないと難しい
場面も多くなってきています。


こうしたなかで千葉県 九十九里浜に面した玉前神社が明確に社会貢献
活動をうたった「波乗守(なみのりまもり)」をはじめました!

「波乗守」 千葉県 玉前神社





















初穂料1体1100円のお守りのうち、100円は九十九里海岸の環境を
守る基金としてあてられるそうです。

お守りの一部の収益を明確に基金などの社会貢献活動にあてることは、
とても分かりやすいですね!

こうした活動が神社、お寺で増えれば、賛同者も増えると思います。

この「波乗守」のご利益は、人生の荒波にも耐え、開運の波に乗れるよう
になることだそうです。

玉前神社のご祭神「玉依姫命(たまよりひめのみこと)」が波に乗って
九十九里浜に上陸した伝説をモチーフにしたそうです。

九十九里浜といえばサーフィンで有名ですね。

サーファーではない方も人生の荒波を乗り越えるご利益を得るために
玉前神社にお参りしてみてはいかがでしょうか。


参考リンク (おまいり日和サイト: 玉前神社)
http://www.omairibiyori.com/jinjatera/kanto/tamasaki.html

2010/08/24

分福茶釜(ぶんぷくちゃがま)が舞台の茂林寺

夏も終盤とはいえ…… やっぱり暑い!!!
酷暑で話題となった、群馬県館林市の茂林寺を訪ねました。

茂林寺は、『分福茶釜(ぶんぷくちゃがま)』で有名なお寺です。
人間に助けられた狸が茶釜に化けて
お寺で恩を返すという昔話、
ご存知の方も多いのではないでしょうか?

駅ではさっそくたぬきがお出迎え♪


















駅からお寺までは、
分福茶釜のストーリーが描かれた
看板を追って歩くこと 約10分。


























その間、街のいたる所で
たくさんの狸に出会いますが、
そのカワイさに、暑さも忘れてしまうほど……?


























茂林寺の門をくぐると、
等身大の狸たちがお出迎え!!


















この狸の像は四季よって変化します。
8月はハワイアン。
似合いすぎて笑みがこぼれます。



















うしろ姿もこんなにキュート!!




















拝観料300円で、中に入ることができます。
分福茶釜の、茶釜も見ることができますよ♪

「ごゆっくりおくつろぎください」の
のれんの通り、静かな境内は、
敷居も低く、とても居心地が良くて
ついついのんびりしてしまいます。

座って休めるところがたくさんあるのも
嬉しいところです。


















ゆっくりとした時の流れに
夏を感じる茂林寺。

狸モチーフのカワイイお守りもたくさん!
東京から約1時間30分、
プチ旅行にオススメのお寺です。

2010/08/23

成田の共生き(ともいき)スピリット

今年の成田山新勝寺は話題が多い。

7月は市川海老蔵さん・麻央さん結婚奉告につづき、
8月に入り成田山新勝寺が母体の成田高校が58年ぶりに
夏の甲子園でベスト4に入りました。

地域の成田市民に聞くと成田高校がノーシード校だから、
まさか甲子園出場するとは思っていなかったようです(ごめんなさい!)。

甲子園出発前に成高野球部は成田山新勝寺に祈願しに参詣しました。

成田山の身代御守















新勝寺からは、甲子園出場できたことに感謝を述べ、野球を楽しんできて
欲しいという激励を込めて選手全員に「身代御守(みがわりおまもり)」を
手渡されたそうです。

身代御守はケガをしないように、メンタル的にプレッシャーに負けないように
災いを払うお守りです。

選手達は試合中に身代御守をポケットに入れていたとか。

参考リンク (おまいり日和サイト:成田山の身代御守)
http://www.omairibiyori.com/story/omamori001.html

成田山の勝守















一方、応援する側は「勝って欲しい!」という思いが強いので成田山の
「勝守」を身につけて甲子園にのぞみました。

参考リンク (産経ニュース)
http://tinyurl.com/3xmsyc4

テレビで見ると成田山のチアリーダー全員、「勝守」を首にぶら下げて
応援してましたね。

成田高校は準決勝で東海大相模高校に敗れましたが、成田のチアリーダー部
から東海大相模のチアリーダー部へ成田山の「勝守」が贈られたそうです。

東海大相模のチアリーダーは、対戦相手だった成田の「勝守」を身につけ、
多くの人たちの思いいを込めて決勝戦を応援しました。

成田山の不動心には「感謝する心」「助け合う心」といった共生き(ともいき)の
スピリットがあるそうです。

激戦の中でマナーが良かった選手達と、思いを繋ぎ、橋渡した生徒達に
感動しました!

2010/08/21

沖縄の神社、波上宮(なみのうえぐう)

今年の夏の全国高校野球は沖縄の興南高校が春に続いて連覇しましたね。
おめでとうございます!



















ということで、おまいり日和スタッフも沖縄の神社、
波上宮(なみのうえぐう)にいきましたのでレポートします。
崖の上に鎮座する社殿



































波上宮は那覇空港から車で約15分、市の中心、那覇港を望む
崖の上に鎮座しています。

崖の下は「波の上ビーチ」という公営ビーチがあり、
夏でしたので地元の市民も海水浴を楽しんでいました。

琉球王国時代の首里城の朝拝御規式(ちょうはいおきしき)



















江戸時代(実際は明治12年)まで沖縄は琉球王国と呼ばれて、
独自の琉球文化を築いてきました。

中国と日本の中間に位置する沖縄は、古来より建造物も言語も
双方の影響を深く受けました。

波上宮・拝殿



















琉球王国の王府が特別の扱いをしていた神社は8つあり、
その一つが波上宮でした。波上宮は熊野信仰の系列になります。

波上宮・社務所


















波上宮・手水舎




















境内建物の外観は赤瓦や白い壁で沖縄独特の色彩建造物です。

拝殿前の狛犬



















拝殿の前に対で狛犬が置かれています。
狛犬の伝来は中国の唐時代の獅子(しし)が朝鮮半島を経て伝わったとされています。
獅子を沖縄の方言で発音すると「シーサー」と発音します。

シーサーは、沖縄では魔よけとして建物の門や屋根の上に配置し、悪霊がもたらす
あらゆる災害ににらみをきかせる守り神として深く信仰されてきました。

沖縄の人々と話すと、死生観の違いを感じました。
たとえば、お墓はオバケでる怖いところというのが一般的な感覚ですが、
沖縄の人々にはそのように思っていないようです。
どちらかというとハブ(毒蛇)と出くわす方が怖いそうです!

また、お葬式の「清め塩」といえば葬式から帰ったら塩をふるイメージが
ありますが、沖縄ではお塩を「マース」と呼び、今でもお守りとして持ち歩く
風習があるようです。古来からお塩は浄化や邪気を払うために使われて
いたそうです。

微妙に違う信仰心。
沖縄古来の信仰(琉球神道)は、仏像などの偶像崇拝はせず、聖なる森
「ウタキ(御嶽)」を礼拝所としてきました。

ガジュマルの木




























ウタキには南島ならではのガジュマルやクバの木が茂っています。
波上宮も「端城(ハナグスク)」と呼ばれたウタキだったそうです。

その聖域で神官役として祭りを司るのは伝統的に霊力の強い女性
であり、「ノロ」と呼ばれていました。邪馬台国の卑弥呼がいたように、
古来日本は女性が司祭者でした。

その信仰文化が江戸時代まで沖縄に残っていたんですね。


琉球時代の信仰をポイントでまとめると、、、、

● 本土の日本神道と似た祖霊信仰(祖先崇拝)
● 太陽神を最高神としている→神道の天照大神、仏教の大日如来と同じですね
● 遠い海の彼方の理想郷から神が訪れ、幸福をもたらす伝説「ニライカイ信仰」
ヒトの魂はニカライより来て、死んでそこへ帰り、集落の守護神となる。
● 礼拝所はウタキ(御嶽)と呼ばれる聖なる森で、女性の司祭者(ノロ)のみが
入ることが許された(男子禁制だった!)

太平洋戦争の沖縄戦によって多くのウタキが破壊されてしまいました。

それでも琉球信仰は沖縄の人々の生活の中に生き残っています。

2010/08/18

九十九里浜に流れる一宮川で灯籠流し (玉前神社)

灯籠流し(とうろうながし)といえば、先祖の魂を弔い灯籠を海や川に流す仏教の
行事と思われがちですがもともと神仏習合の日本では神社でも行われます。


千葉県九十九里浜に近い玉前神社が、一宮町の観光協会と協力して灯籠流しを
2009年より数十年ぶりに復活させました。今年は8月16日(月)に開催されました。
私たちおまいり日和スタッフも行事の準備に協力しました!


玉前神社の灯籠流しでは、先祖や慰霊したい人の名前や願いを書いた灯籠を
一宮川に流します。




















当日の昼間の準備作業です。
天気にも恵まれとても暑かったです(汗)



















灯籠の素材は環境問題を配慮して紙を使っているそうです。



















移動式の模擬店も準備で忙しそうでした。












































夕日が沈んだ19時くらいから灯籠のロウソクに点火して一宮川に流されました。




















約1000灯の灯籠が夜の川をゆっくり流れている様子はとても幻想的です。
参加者の半分くらいは若いカップルで一緒に灯籠を流している姿をたくさん
見かけました。






















































フィナーレに花火の打ち上げがありました。


今後とも毎年8月16日に開催される予定です。

九十九里浜ビーチでサーフィンや海水浴にいかれる方は、
夏の思い出として参加してみてはいかがでしょうか。

2010/08/17

東京大神宮で猛暑を霧の涼風で乗り切る!

夏も後半戦です。

しかし、このところの暑さは体にこたえます。

都内で暑さをしのげる神社仏閣はないだろうか。

あります!



















飯田橋駅から徒歩5分くらいのところに東京大神宮という
神社がお参りする方のために夏の間ドライミストを導入しています。

夏の平日の昼間なのに沢山の参拝者が多いのは、神社の
こうした粋な計らいもあるからでしょう。



















ドライミストとは、科学的には水を超微粒子(16/1000)の

霧状に噴射し、気化熱の原理で気温を下げる装置です。

全国でも六本木ヒルズや新丸ビル、遊園地、公共施設など
で見かけるようになりましたが、神社で導入している例は
いまのところ東京大神宮だけではないかと思います。

東京大神宮に導入したのは2007年からです。
以来、お参りにきた方達に好評を得ているようです。



















実際に体験してみると確かに体感温度がグッと下がった感じを

受けました。

また噴霧ミストもビジュアル的にも涼しげで、暑い中のお参りも
気持ちよいですね。

ドライミストについては東京大神宮の公式ページでも
紹介されています。

http://www.tokyodaijingu.or.jp/mist/index.html


さすが、神社だけあってドライミストの科学的な原理だけでなく、
霧(ミスト)を神道の観点からも説明されています。


  • 霧の神様は福岡県宗像大社のご祭神、田霧姫命(たぎりひめのみこと)であること。
  • 霧(キリ)の「キ」は「気」という諸説もあり、古来より霧に対して目に見えない力や心の働きを感じてきたといわれているそうです。


こちらの説明の方がミストの効果として納得してしまいました!



















せっかくお参りにきたので、帰り際におみくじを引いてみました。。。。


末吉でした。

「健康そうに見えても病気には注意するように」というお告げが。

夏バテしないように注意します!

2010/08/16

富岡八幡宮の夏祭り・深川八幡祭り

むしむしとする暑い日が続いていますね。



















富岡八幡宮の例祭(15日)にいってきました。



















お祭りなので、ワンちゃんも半纏を着ておでかけです。





















富岡八幡宮のお祭りは、本祭り→本社祭り→陰祭りと三年周期で
おこなわれており、今年は陰祭りにあたります。


富岡八幡宮の例祭は「深川八幡祭り」とも呼ばれ、赤坂の日枝神社の山王祭、
神田明神の神田祭とともに「江戸三大祭」の一つです。





















深川のお祭りは「水掛け」で有名で、沿道の人達によって担ぎ手に
清めの水が浴びせ、担ぎ手と観衆が一体となって盛り上がるのが
特徴といわれています。

水は消防団によるホースやバケツに入った水を掛けます。

あまりの暑さに御輿に近づき自ら進んで水しぶきを浴びにいきました!



















参道は縁日や催しで大賑わいでした。



















浴衣ガールの姿もちらほら。



境内には日本一の大御輿
(御本社一の宮神輿)が
展示されていました。

とても大きいだけでなく、
ダイヤやルビーの宝石が
たくさん埋め込まれている
高級宝飾御輿です。

担ぎ手をたくさん必要とする
日本一の神輿は毎年だす
には難しい。



そこで、、、、、











新たに宮神輿を製作し、
二の宮として1997年の例大祭で
華麗に渡御しました。

それが左の写真の神輿です。

2年後の本社祭りで渡御
されることでしょう。

2010/08/07

鎌倉・夏の風物詩「ぼんぼり祭」



















ジリジリとくる暑さが続いていますが、旧暦では8月7日頃が立秋です。



そろそろ秋の気配を感じられ
る時期ですが、昨日の鎌倉は
雲ひとつ無いカンカン照りで
これからが夏本番といっても
おかしくないほど天気が
良かったですね。


















8月6日(立秋の前日)から9日(源実朝の誕生日)までの4日間、鎌倉の夜を彩る
「ぼんぼり祭」が鶴岡八幡宮ではじまりました。今年で72回目を迎える夏の風物詩です。



















ぼんぼり祭の初日は、まだ太陽が照りつける午後3時の「夏越祭(なごしさい)」の
祭典からはじまります。

この祭典は夏が終わりに近づき、疫病や災厄がなく、秋を迎えられるように祈る
ために行われます。




















舞殿では巫女による「夏越の舞」が奉納されました。



















参道では邪気を祓い、健康を祈るためにで「茅の輪くぐり」をしていました。




















昼間の参道です。約400基のぼんぼりが参道にたてられています。
まだ人もまばらです。



















午後6時半から巫女がろうそくに灯をともしてぼんぼりが暗闇の中に浮かび
上がり幻想的な雰囲気に包まれました。

湿度もそれほど高くなく、夜風もあったせいかとても過ごしやすかったです。


































ぼんぼりは鎌倉にゆかりがある著名人によって手書きで描かれています。
今年3月に倒木した大銀杏の再生を願うぼんぼりが多数ありました。
また日本サッカー代表監督として日本に感動を与えてくれた岡田監督の
ぼんぼりがとても印象に残っています。

どんなぼんぼりが描かれているか是非おまいりしてみてください!